世阿弥の「風姿花伝」に、「翁」は聖徳太子が作り、金春家の祖・秦河勝に伝えられた、とあります。その「翁」に始まる正統を脈々と受け継ぐ80世金春安明が、中世を今に伝える下掛(しもがかり)能・金春流の魅力を広く知っていただくために、各曲目の特徴をわかりやすく解説します。第一線の演者みずからが中世のスピリットを浮かびあがらせ、現代の能をさらに豊かに享受するためのガイドです。能を見る。演じる(謡う。舞う)。調べる。考える。シテ方金春流80世金春安明による金春流の集大成、すべてがいまここに。2017年3月31日、ついに刊行!好評発売中 お申し込みは下記までどうぞ。なお全国の大型書店などでも絶賛発売中です。
金春流80世 金春安明著
「金春の能〈上〉中世を汲む」
本体3500円
A5判 上製 320頁
装丁=鈴木一誌
発行:公益社団法人 金春円満井会
発売:新宿書房
主な内容
■まえがきにかえて
南都両神事能から見た古都の虚実
1.能の歴史
■「翁」
■興福寺薪能と春日若宮おんまつり
■江戸時代の大衆の能
■40年来の思い出
2.現行曲目の解説[上]50音順61曲(あ行~か行)
あ 藍染川、葵上、阿漕、芦刈、安宅、敦盛、海人 、嵐山、蟻通、淡路
い 生田、一角仙人、井筒、岩船
う 鵜飼、浮舟、雨月、歌占、善知鳥、采女、鵜祭、梅枝、雲林院
え 江口、箙
お 老松、大江山、翁、小塩、大原御幸、伯母捨、女郎花
か 杜若、景清、花月、柏崎、春日竜神、葛城、鉄輪、兼平、加茂、通小町、邯鄲
き 砧、清経、金札
く 国栖、熊坂、鞍馬天狗、車僧、呉服、黒塚
け 源氏供養、絃上、源太夫
こ 恋重荷、項羽、小鍛冶、小督、小袖曽我、胡蝶
3.温故知新
■幻の太閤能「この花」
■番外曲いろいろ
■永正3年本「玄上」は明和頃の書写か
お詫びと訂正
〈車僧〉のアイ狂言、溝越天狗のルビが、「みぞこえ」たるべきを、「みぞごえ」と誤濁しておりました。正しくは「みぞこえ」です。お詫びして訂正いたします。