金春家伝来の能面&能装束(東京国立博物館所蔵)

金春家に伝来した面、装束のうち、現在、能狂言面47面と能装束類196件が東京国立博物館の所蔵となっています。金春家の能面には、造形が形式化する前の古いもの、後世に多くの写しが作られた有名なものが含まれています。東京国立博物館が所蔵するこれらの能面・能装束のうち、重要文化財に指定されているものを以下にご紹介します。東京国立博物館発行の図録「金春家伝来の能面・能装束」の作品リストから作成。左端のNo.は図録の掲載番号

東京国立博物館のサイト「e國寶」で47面すべてをご覧になれます。

金春家伝来の能狂言面(すべて重要文化財)東京国立博物館所蔵
No. 能狂言面   制作年代 世紀 重さ
1 おきな 室町時代 15世紀 227g
2 父尉 ちちのじょう 南北朝~室町時代 14~15世紀 100g
3 延命冠者 えんめいかじゃ 南北朝~室町時代 14~15世紀 145g
4 三番叟 さんばそう 江戸時代 19世紀 121g
5 小尉 こじょう 江戸時代 18~19世紀 155g
6 阿古父尉 あこぶじょう 安土桃山~江戸時代 16~17世紀 189g
7 三光尉 さんこうじょう 室町時代 15~16世紀 164g
8 行者(鷲鼻悪尉) ぎょうじゃ(わしばなあくじょう) 室町時代 15~16世紀 248g
9 石王尉 いしおうじょう 江戸時代 18世紀 162g
10 要石悪尉 かなめいしあくじょう 江戸時代 18~19世紀 287g
11 狂言面:恵美須 きょうげんめん:えびす 江戸時代 18世紀 134g
12 中将 ちゅうじょう 江戸時代 19世紀 71g
13 中将 ちゅうじょう 安土桃山時代 16世紀 124g
14 邯鄲男 かんたんおとこ 安土桃山~江戸時代 16~17世紀 136g
15 怪士 あやかし 江戸時代 17~18世紀 139g
16 十寸髪男 ますかみおとこ 江戸時代 18世紀 171g
17 痩男 やせおとこ 江戸時代 18世紀 154g
18 痩男 やせおとこ 江戸時代 17~18世紀 152g
19 猩々 しょうじょう 室町時代 15~16世紀 131g
20 童子 どうじ 江戸時代 17~18世紀 124g
21 猿飛出 さるとびで 室町~安土桃山時代 16世紀 194g
22 大飛出 おおとびで 室町時代 15~16世紀 320g
23 泥小飛出 でいのことびで 室町時代 15~16世紀 169g
24 黒髭 くろひげ 安土桃山時代 16世紀 197g
25 しかみ 室町時代 15~16世紀 207g
26 大天神 おおてんじん 室町時代 15世紀 190g
27 小天神 こてんじん 江戸時代 18世紀 189g
28

小癋見

こべしみ 江戸時代 18世紀 192g
29 長霊癋見 ちょうれいべしみ 江戸時代 17世紀 254g
30 長霊癋見 ちょうれいべしみ 室町時代 15~16世紀 272g
31 小面 こおもて 室町時代 15~16世紀 112g
32 小面 こおもて 江戸時代 17~18世紀 116g
33 小面 こおもて 江戸時代 18~19世紀 140g
34 小面 こおもて 江戸時代 17世紀 156g
35 若曲見 わかしゃくみ 室町時代 15~16世紀 117g
36 曲見 しゃくみ 安土桃山~江戸時代 16~17世紀 142g
37 曲見 しゃくみ 室町時代 15~16世紀 134g
38 曲見 しゃくみ 江戸時代 17世紀 141g
39 曲見 しゃくみ 江戸時代 19世紀 179g
40 曲見 しゃくみ 江戸時代 17~18世紀 118g
41 増女 ぞうおんな 江戸時代 17~18世紀 144g
42 増女 ぞうおんな 安土桃山~江戸時代 16~17世紀 147g
43 うば 室町~安土桃山時代 16世紀 132g
44 泥眼 でいがん 江戸時代 17世紀 128g
45 般若 はんにゃ 江戸時代 17世紀 219g
46 般若 はんにゃ 江戸時代 17~18世紀 232g
47 般若 はんにゃ 江戸時代 19世紀 262g

いずれも東京国立博物館所蔵

金春家伝来の能装束(すべて重要文化財)東京国立博物館所蔵
No. 能装束       製作時代 世紀
62 厚板 あついた 金紅片身替詩歌模様 きんべにかたみがわりしいかもよう 江戸時代 17世紀
66 縫箔 ぬいはく 紅白段菊芦水鳥模様 こうはくだんきくあしみずとりもよう 安土桃山時代 16世紀
67 縫箔 ぬいはく 白地四季草花肩裾模様 しろじしきそうかたすそもよう 安土桃山時代 16世紀
68 縫箔 ぬいはく 白地雪持柳扇面肩裾模様 しろじゆきもちやなぎせんめんかたすそもよう 安土桃山時代 16世紀
69 縫箔 ぬいはく 白地桐鳳凰芦桜雪持竹肩裾模様 しろじきりほうおうあしさくらゆきもちたけかたすそもよう 安土桃山時代 16世紀
70 縫箔 ぬいはく 茶地百合御所車立湧模様 ちゃじゆりごしょぐるまたてわくもよう 安土桃山時代 16世紀
73 摺箔 すりはく 紫地色紙葡萄模様 むらさきじしきしぶどうもよう 安土桃山時代 16世紀

東京国立博物館所蔵

今回披露された新しい唐織

もとになった唐織(紅萌黄段敷瓦菊薄模様)東京国立博物館所蔵

金春円満井会法人化
30周年事業の新たな唐織
紅萌黄段敷瓦菊薄模様

2017年6月13日(火)11:00から吉祥寺第一ホテルで開催された平成29年度定時総会で、金春円満井会法人化30周年事業の一環として、(公社)金春円満井会が新たに作成した唐織(からおり)が披露されました。

東京国立博物館に所蔵されている金春家伝来の装束の模織(もしょく)。京都・西陣の株式会社佐々木能衣装が制作しました。江戸時代・18世紀に作成された金春家伝来の能装束  唐織(からおり) 紅萌黄段敷瓦菊薄模様(べにもえぎだんしきがわらきくすすきもよう)の模織です。復元というのは規格も忠実に再現することですが、今回はサイズを若干大きくしたため、模織となりました。

この唐織は、
◆2017年9月24日(日)奈良金春会〈六浦(むつら)〉シテ金春安明
◆2017年10月1日(日)金春会定期能〈花筐(はながたみ)〉シテ本田光洋
◆2018年2月復曲能〈夕顔〉シテ山井綱雄
で、実際に使用される予定です。

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金春流の定例公演

金春会定期能
2025年
1月19日(日)12:30開演
「翁」中村昌弘
「高砂」山中一馬
「葛城」本田光洋
円満井会えんまいかい定例能
2025年
1月25日(土)12:30開演
「歌占」中村昌弘
「三輪」安達裕香

矢来能楽堂

金春流の特別行事

薪御能
2024年5月
17日(金) 興福寺/春日大社
18日(土) 興福寺/春日大社
大宮薪能
2024年5月 19:00~
24日(金) 大宮氷川神社
25日(土) 大宮氷川神社
轍の会
2024年7月7日(日)14:00~
国立能楽堂 
「清経 恋ノ音取」本田芳樹
「伯母捨」櫻間金記
座・SQUARE
2025年7月21日(月・祝)
13:00~国立能楽堂
金春祭り
2025年5月28日(水)18:00~
能楽金春祭り 銀座金春通り
路上奉納能 
鎌倉薪能
2024年10月11日(金)
鎌倉宮境内 鎌倉・大塔宮
春日若宮おん祭り
2024年12月
17日(火)
18日(水)
春日若宮御祭礼式能
奈良市春日大社
弓矢立合、神楽式ほか